離婚協議書は作ることに決めたけれど、ネットで調べてみたら離婚協議書って2種類あるみたいで、
離婚公正証書っていうのはなんだか値段が高いみたいだけれど、どういう違いがあるんだろう?
離婚協議書の作成において、こういった質問をよく受けます。
ここでは離婚協議書と離婚公正証書の違いについて掘り下げていきたいと思います。

1.離婚公正証書って?

公正証書は公証人が法律に則って作成する公文書です。
よって、高い証明性があるだけでなく、私文書である離婚協議書とは比べ物にならない効力を発揮します。
公正証書によって記載された内容は裁判所の判決と同様の効果を持ちます。
つまりどういうことが出来るかというと簡単に例えれば、『養育費の支払を3ヶ月怠れば強制執行する』と書けば、相手側が養育費の支払を行なわず3ヶ月を経過すれば裁判を起こすことなく相手側の財産を差し押さえることが出来ます。
これが離婚協議書であれば、まず裁判を起こし、執行判決を経た後にやっと差し押さえが出来るという段取りになります。

また、公証人が作成する契約書ですので後にトラブルが発生した場合でも公正証書で取り決めた内容が裁判所で否定される危険性がありません。
離婚協議書であれば、法的には無効なことや法が立ち入れないようなことも契約に盛り込める代わりに、
裁判になった場合には離婚協議書で取り決めた内容が無効とされてしまう可能性があります。

直接的な効果以外の面で言えば、公正証書は約束を守らなければ直ちに強制執行されてしまう可能性があるという事実が、お互いに抑止力となって働くので離婚協議書よりも契約内容が守られやすいという心理的効果もあります。
更に、公正証書は本人たちだけでなく、公証役場でも保管されるため、偽造されてしまう恐れも無く、紛失や破損の場合にも公証役場にて再発行を受けることが可能になります。

しかし、公証人が作成するため法的に無効な内容は記載出来ませんし、公証人に支払う費用が別途発生します。
また、夫婦間での話し合いに加え、公証人とも内容の打合せが必要となり、最終的には公証役場にて作成手続きを行なわなくてはならないので、時間も労力も離婚協議書の倍くらいかかると見ておいた方がいいでしょう。

2.離婚協議書と離婚公正証書の違い

わかりやすく離婚協議書と離婚公正証書の違いを表にしてみましたのでこちらで比較検討を行なってください。

項目 離婚協議書 離婚公正証書
自由度 高い 低い
費用 低い 高い
時間 かからない かかる
証明性 低い 高い
裁判時の有用性 低い 高い
心理的効果 低い 高い
再発行 ほぼ不可能 可能
偽造可能性 あり なし
執行力 なし あり

 

3.離婚公正証書って自分たちで頼めるの?

離婚公正証書も離婚協議書が自分たちで作成できるのと同様に、自分たちで直接公証人に依頼することは可能です。
最寄りの公証役場へ連絡し、「離婚協議がまとまったのでこの内容で離婚公正証書を作成したい」と言えば公証人が対応をしてくれます。
しかしここで注意をしていただきたいのが、公証人は法律のプロではあるが離婚問題のプロでは無いということです。
この内容でお願いしますと言えば法的に問題が無ければそのまま離婚公正証書を作ってくれるのです。
つまり、後にトラブルになる可能性があることや、決めておいた方がいいことが抜け落ちていたとしても指摘はしてくれません。
公証人が指摘してくれるのは法的に無効な内容が含まれている場合のみと考えてください。
法的有効性は確認修正してもらえるが、内容面に関しては自分たちだけで離婚協議書を作成した場合と同じということです。
ですので離婚公正証書の場合も専門家である行政書士に一度相談されることをお勧めします。
德留行政書士事務所では、自分たちで作成した離婚協議書の確認だけをして欲しいといった相談も受け付けています。
作成された協議書に問題が無ければそのままご自分で公証役場へ行くようにお勧めしますし、内容に不足があると判断できる場合には、協議書作成のご依頼をいただくように案内をさせていただく場合もあります。

4.まとめ

以上の内容からもわかるように離婚協議書と離婚公正証書にはそれぞれ長所と短所があります。
離婚の際は早く決着をつけたいという思いや、新生活にお金がかかるので出来るだけ費用を抑えたいという気持ちもあると思います。
しかし、今後の人生を大きく左右する大事な決断であるからこそ、ここでしっかり時間と費用をかけて、新生活の安定を担保するべきだと思います。
急いで離婚して、結局トラブルになりずっと相手側と嫌な付き合いを続けなければならない。
費用を抑えて離婚して、養育費が支払われずに新生活が困窮する。
こんなことが起こっては意味がありません。
そういったことから、私は離婚届を出す前に『離婚公正証書』の作成をすることをお勧めしています。