近年増加している大規模災害や、今もっとも世間を悩ませているコロナウイルス感染症などの、自然災害や感染症拡大が社会に与える影響はとても大きいです。
そこに対して中小企業庁が中小企業の自然災害等に対する事前対策(防災・減災対策)を促進するため、中小企業の事業活動の継続に資するための中小企業等経営強化法等の一部を改正する法律(通称、中小企業強靱化法)が令和元年7月16日に施行されました。
今回行政書士法人つむぎで申請していた事業継続力強化計画の認定制度というのは、中小企業が策定した防災・減災の事前対策に関する項目に対して認定を受けたい企業が、「うちの会社ならそれらの項目に対してこういうやり方で対策できるぞ!」という計画を書面にして申請し、経済産業大臣が認定する制度です。
具体的には下記のような項目について計画を立てていきます。
・ハザードマップ等を活用した自然災害リスクの確認方法
・安否確認や避難の実施方法など、発災時の初動対応の手順
・人員確保、建物・設備の保護、資金繰り対策、情報保護に向けた具体的な事前対策
・訓練の実施や計画の見直しなど、事業継続力強化の実行性を確保するための取組
この申請はご自身で行っていただくことも可能ですし、我々行政書士も計画書作成のお手伝いをさせていただけますので、興味のある経営者の方は弊所までお気軽にご相談いただければと思います。
ご自身で申請をお考えの方は、こちらのページをご参照ください。
⇒中小企業庁・事業継続力強化計画のページ
認定を受けるとどうなるの?
認定を受けることで得られる具体的なメリットといえば、税制措置(防災・減災設備に対する税制優遇)や金融支援(低利融資・信用保証枠の拡大など)、ものづくり補助金等の一部補助金の加点などが受けられるという部分になると思います。
行政書士法人つむぎがなぜこの認定を受けたのか?というところで言えば、正直なところ、上記のメリットはほぼ関係ありません。
当然これらはありがたいメリットではあるのですが、それよりも私は、『顧客や相談者、一緒に働いてくださっている従業員さんに与える信頼感』の一助になるかもしれないという部分に重きを置いています。
信頼感というのは目に見えるものではありませんし、「事業継続力強化計画の認定を受けていたので今回の依頼は御社に決めました!」なんてご連絡をくださる相談者さまはまずいないと思います。
従業員さんにしても、「今日事業継続力強化計画の認定がおりたよ!これ事務所で保管しとくね!」と言ったところで頭の中はハテナでいっぱいのようでしたw
制度について従業員さんに説明出来ていなかったので当然の反応ですね・・・。
今はまだ認知度も低いですが、中小企業庁もこの制度の周知に力をいれているようなので、一般消費者の間で認知されるのはまだまだ先になるかもしれませんが、経営者の間では当然の知識となる日もそう遠くはないのではないでしょうか?
行政書士法人つむぎの想い。
私自身も過去に大型台風の直撃により停電に遭い、丸2日全く仕事ができずに大変な思いをした経験があります。
その時はまだ個人事務所でしたし、顧客の皆様も同じように被害に遭われていたので業務を止めてしまうこと自体に問題は起きませんでした。
しかし今は法人化して取引先も全国規模になってまいりましたし、従業員さんも今後もっと増えていく中で、「災害が起こったどうしよう!?」とその時になって右往左往するのは違うんじゃないかなと思いました。
それこそ、停電している中でも「なんでもいいからなんらかの方法でなんとか出社してきて!」と従業員さんにお願いするような経営者にはなりたくない。
だから事前に備えておけることはやっておこうよ、というのが今回の申請にいたった一番大きな理由です。
何が起こるかわからないから自然災害なので、計画を立てていてもいざとなればすべてが計画通りにいくことなんてほぼありえないということはわかっています。
それでもその想いを、姿勢を、顧客の皆様や従業員さんに目に見える形で伝える努力はし続けたいと思っています。