消費税増税前に買いだめしておかなきゃ!と、9月の末はあちこちで爆買い騒動が起こっていましたね。
電気屋さんやコンタクトレンズ屋さんだけに留まらず、ドラッグストアではティッシュペーパーが品切れになったとか。
道路にも平日だというのにサンデードライバーが溢れていたせいか、どの道もいつもの月末以上に渋滞し、更にかなりの数の事故現場に出会いました・・・(^^;
おかげさまで(?)当事務所でも、自動車登録業務でかなり混乱のあおりを受けました。
増税前に自動車を買おう!という駆け込み需要は一定数あったようで、関西の陸運支局はどこも3月末ぐらいの混み具合でした。
余談ですが、不動産業の社長さんに話を聞いたところ、住宅ぐらいのレベルになるとさすがに増税による駆け込みの買い物という雰囲気は無かったそうです。
自動車を駆け込みで買って得したのか?
消費税は8%から10%に上がりました。
増税による差額は2%です。
わかりやすく100万円の車を買ったと想定しましょう。
本体料金だけ見れば、9月30日までに納品されるように購入すれば108万円。
10月1日以降の納品の購入であれば110万円の支払いということになります。
9月中に駆け込んで買った事により2万円の得をしたように見えますね。
2万円あればオプションパーツの1つでも買えそうですし、買いたい車が明確に決まっていたなら増税に背中を押される形で購入したのは正解だったと言ってもいいと思います。
では、車を買いたいとは思っていたけれどまだ検討段階で、色んなディーラーでしっかり試乗とかしてからじゃないと決めたくないと思って9月中の購入を見送った方は損をしたのでしょうか?
実は一概にそうとは言い切れない側面があるのです。
どういうことなのか一緒に見ていきたいと思います。
自動車にまつわる税金についてのごく簡単な解説はこちらをご参照ください→『自動車にまつわる税について』
自動車購入時の諸費用について
一般的な買い物と違って自動車を購入する時は、『商品価格』+『消費税』=『支払額』のような単純な計算にはなりません。
新車か中古車かによっても変わりますが、一般的にディーラーさんで新車を購入した場合に必要な費用について挙げてみたいと思います。
・車両本体価格
・付属品価格
・消費税
・自動車税
・自動車取得税
・自動車重量税
・自動車保険料(自賠責保険・任意保険)
・車庫証明代行費用
・検査登録届出代行費用
・納車費用
・リサイクル資金管理料金
・リサイクル預託金
・ナンバープレート代(または希望番号プレート代)
・車庫証明代(法定費用)
・検査登録届出代(法定費用)
いかがでしょうか?かなりの項目がありますね。
これらの費用のほとんどは、自動車を登録する際に必要な諸費用で、依頼を受けた行政書士が警察署や陸運支局にて代わりに手続きを行なったりしています。
いざ、計算!!
さてここで購入時期についての差額を考えてみましょう。
モデルケースとして、
車両本体・付属品合計価格:3,480,000円
燃費基準(エコカー減税):非達成のガソリン車
排気量:1590㏄
の車両を購入した場合で、差額が出るものだけを抜粋して計算します。
2019年9月に新車で自家用自動車を買った場合
消 費 税 :278,400円(車両合計価格の8%)
自動車取得税:104,400円(車両合計価格の3%)
自 動 車 税 : 19,700円(39,500円の月割6か月分)
合 計:402,500円
2019年10月に新車で自家用自動車を買った場合
消 費 税 :348,000円(車両合計価格の10%)
環 境 性 能 割: 69,600円(車両合計価格の2%)
自動車税種別割:15,000円(36,000円の月割5か月分)
合 計:432,600円
2019年9月と10月との間での差額は、30,100円(車両合計価格の 0.86% に相当)
2020年10月に新車で自家用自動車を買う場合
消 費 税 :348,000円(車両合計価格の10%)
環 境 性 能 割:104,400円(車両合計価格の3%)
自動車税種別割:15,000円(36,000円の月割5か月分)
合 計:467,400円
2019年10月と2020年10月との間での差額は、34,800円(車両合計価格の 1% に相当)
まとめ
2019年9月に駆け込み購入した場合と、2019年10月に購入した場合を比べると、消費税だけみたら約7万円もお得になったと思いきや、実際は3万円しか安くなっていません。
さらに実際には販売店にて増税を踏まえて値引額が多くなる可能性も高く、さらに差額が少なくなることも想定されます。
であれば、駆け込みで納得のいく車を買えた人にはお得に買えて良かったですねという結論ですが、決め切らずに購入を見送った人にとっても、環境性能割が1%軽減されている2020年9月30日までであれば金額的には大きな差はなく購入することが可能です。
また、2020年10月以降に自動車を購入する場合は環境性能割の軽減が無くなるため、純粋に1%分割高になります。
ということは、車の税についてしっかり知識のある人ならばこのタイミングでまた駆け込み購入が発生する可能性はありそうですね。
自動車税(種別割)についての大事な話
2019年10月1日から税率が引き下げられた自動車税(種別割)について、前回の記事ではさらっとしか説明していませんでしたが、実は、既に自動車を所有している場合にも注意する項目があります。
それは、『2019年9月30日以前に登録を受けた自動車の税率は今までどおり』ということです。
税率が引き下げられたのは、あくまでも2019年10月1日以降に初回新規登録を受けた自動車に限られます。
つまり、既に所有している自動車に対して毎年4月に請求がくる自動車税は安くなったりしません。
自動車税が引き下げられたと聞いて、自分のも安くなったんだ!と、ぬか喜びしないようご注意ください。
德留行政書士事務所では、車を愛するみなさんがステキなカーライフを送れますよう願っております。