建設業の新規許可申請をする際や更新申請をする際には、多くの証明書類を添付したり提示したりする必要があります。
行政書士に依頼していただければ、こちらで代わりに取得に行けるものもありますが、ご自身でご用意いただくしかない書類も多々ございます。
どんな書類を集めれば良いのかわからないという時に、この記事が事業者様の書類収集の参考になれば幸いです。
本記事では、大阪府知事管轄での申請を想定して書いてあります。
知事許可と大臣許可でも提出する書類は変わりますし、知事許可であっても申請する都道府県によって、求められる書類が変わる場合が多々ございますのでご注意ください。
登記されていないことの証明書
大阪府のHPで、『後見登記等に関する登記事項証明書』と書いてあるのはこの、『登記されていないことの証明書』のことです。
法務局にて発行してもらえます。
ご本人以外の人が取得しに行く場合は委任状と本人確認書類が必要です。
法人の場合は、監査役を除く法人の役員全員と、建設業法施行令第 3 条に規定する使用人(いわゆる令3使用人と呼ばれる人で、支店長等がこれに該当する)分の提出が必要です。
個人の場合は申請者本人の分が必要です。
必要な証明項目は、成年被後見人及び被保佐人に該当しないの項目となりますのでそちらにチェックを入れてください。
外国籍の方でも登記されていないことの証明書は発行されますので、同じ内容で取得申請をしてください。
登記されていないことの証明書は、申請をする際に記入する申請書に記載した内容がそのまま証明書に印字されて発行されます。
誤字や脱字があってもそのままの状態で発行されてしまい、許可申請する上では不備のある書類として建設局には受理してもらえなくなりますので、申請書は略字記載等せずに、正式な住所や氏名を丁寧に書くように注意しましょう。
市町村の長の証明書/身分証明書
本籍を所管する市町村の長が発行する『身分証明書』で、本籍地の市区町村役場にて発行してもらえます。
ご本人か同居家族以外の人が取得しに行く場合は委任状と本人確認書類が必要です。
住民票のある市区町村ではなく、本籍地のある市区町村でしか発行してもらえないのでご注意ください。
遠方の場合は郵送で申請し、郵送で交付を受けることが可能です。
法人の場合は、監査役を除く法人の役員全員と、建設業法施行令第 3 条に規定する使用人(いわゆる令3使用人と呼ばれる人で、支店長等がこれに該当する)分の提出が必要です。
個人の場合は申請者本人の分が必要です。
成年被後見人又は被保佐人とみなされる者に該当せず、また、破産者で復権を得ないものに該当しない旨の証明が必要となっていますので、身分証明書の両方の項目にチェックを入れてください。
外国籍の方は市町村の長の証明書が発行されませんので、その代わりの証明書類として『住民票』を添付してください。
国籍・氏名(通称名含む)・生年月日が確認できる本人の抄本が必要です。
健康保険等の加入状況確認書類
適切な保険に加入していることが建設業の許可要件となりました。
適切な保険というのはそれぞれの会社の状況によって異なりますので、以下の中から該当する項目の証明書をご用意ください。
健康保険・厚生年金保険
健康保険の加入状況によって、『事業所整理番号』及び『事業所番号』が確認できる下記のいずれかの資料の写しをご用意ください。
全国健康保険協会に加入の場合
- 納入告知書 納付書・領収証書の写し
- 保険納入告知額・領収済通知書の写し
- 社会保険料納入確認(申請)書(受付印のあるもの)の写し
- 健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書の写し
組合管掌健康保険に加入の場合
- 健康保険組合発行の保険料領収証書の写し
- 厚生年金保険について以下の書類のいずれか
A:納入告知書 納付書・領収証書の写し
B:保険納入告知額・領収済通知書の写し
C:社会保険料納入確認(申請)書(受付印のあるもの)の写し
D:健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書の写し
建設工事業国民健康保険組合加入の場合
- 健康保険保険被保険者標準報酬決定通知書の写し及び加入証明書の写し
国民健康保険に加入の場合
- 厚生年金保険について以下の書類のいずれか
A:納入告知書 納付書・領収証書の写し
B:保険納入告知額・領収済通知書の写し
C:社会保険料納入確認(申請)書(受付印のあるもの)の写し
D:健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書の写し
雇用保険
雇用保険の『労働保険番号』を確認できる下記のいずれかの資料の写しをご用意ください。
- 労働保険概算・確定保険料申告書及び領収済通知書の写し
- 労働保険料等納入通知書及び領収済通知書の写し
適切な保険とは?
健康保険と厚生年金保険
法人又は家族従業員を除く従業員が5人以上の個人事業主の場合は、原則、『健康保険と厚生年金保険』の加入適用事業所となります。
健康保険については適用事業所であっても、全国土木建築国民健康保険組合等に対して事業主が健康保険適用除外承認を申請し、かつ、年金事務所がこれを承認した場合にあっては適用除外承認を受けることができます。
雇用保険
1 人でも労働者を雇っている場合は、法人でも個人事業主でもどちらの場合であっても雇用保険の加入適用事業所となります。
ただし、同居の親族のみで構成される事業所の場合においては、雇用保険は原則適用除外となります。
専任技術者の資格を証する書面
専任技術者の要件をどの項目でクリアするかによって添付する証明書類が変わってきます。
ご自身が該当する項目の必要書類をご用意ください。
資格で証明する場合
- 国家資格等の資格を証する書面の写し又は、監理技術者資格者証の写し
取得したい業種に応じた資格でなければなりません。
また、申請時において有効なものであることが必要です。
更新期限のあるものは正しく更新されているか、氏名の変更などは適切に行なわれているかをご確認ください。
ご自身がお持ちの資格が該当するかどうか不明な場合は、下記の対応資格一覧表にてご確認いただければと思います。
学歴と実務経験で証明する場合
- 卒業証明書の原本又は卒業証書の写し
- 実務経験証明書又は指導監督的実務経験証明書
- 実務経験証明書の内容を確認できる書類
- 実務経験証明書に記載された期間の在籍が確認出来る書類
実務経験のみで証明する場合
- 実務経験証明書又は指導監督的実務経験証明書
- 実務経験証明書の内容を確認できる書類
- 実務経験証明書に記載された期間の在籍が確認出来る書類
実務経験証明書の内容を確認できる書類とは?
実績証明会社での、工事実績に記載した全ての工事について『①工期』『②工事名』『③工事内容』『④請負金額』の4つの内容が確認出来る下記のいずれかの書類を指します。
- 工事契約書
- 注文書
- 請求書
- 内訳書等
証明したい業種について、提出する証明書類に記載された工期の間が12カ月以上開いていなければ、連続した期間継続して実務経験があるとみなしてもらえます。
実務経験証明書に記載された期間の在籍が確認出来る書類とは?
実務経験証明書に記載された経験期間の在籍が確認できる、下記のいずれかの書類を指します。
- 年金の被保険者記録照会回答票
- 雇用保険被保険者証(申請時点において継続して雇用されている場合)
- 雇用保険被保険者離職票(申請時点において離職している場合)
- 証明者が個人事業主の場合は、証明者の所得税の確定申告書のうち、税務署の受付印のある第一表+専従者給与欄又は給与支払者欄に内訳・氏名の記載がある書類
- 証明会社で役員だった場合は、役員就任期間がわかる法人履歴事項全部証明書(閉鎖謄本)+証明者の確定申告書のうち税務署の受付印のある別表一と別表二及び役員報酬が記載されているページを該当期間分
- 証明者の印鑑証明書(3か月以内のもの)
商業登記簿謄本/法人履歴事項全部証明書
法務局にてどなたでも簡単に取得することが可能です。
取得の際に委任状等も必要ありません。
インターネットで取得したものは証明書類として使用できませんので、必ず法務局にて発行を受けてください。
場合によっては証明書類の1つとして閉鎖謄本の添付を求められることがありますが、閉鎖謄本も法務局にて簡単に取得可能な書類となっています。
法人事業税納税証明書
税務署にて発行してもらえます。
申請者が法人の場合は『法人事業税・特別法人事業税/地方法人特別税』を証明したもの、申請者が個人の場合は、『所得税(国税)納税証明書のその1』を取得してください。
申請者ご本人以外の人が取得に行く場合には、委任状と本人確認書類が必要となります。
また、特にご注意いただきたいのは、申請する許可が知事許可なのか大臣許可なのかによって、取得してもらう税務署が変わります。
知事許可であれば都道府県税事務所が発行する納税証明書が必要となり、大臣許可であれば、国税局が発行する納税証明書が必要となりますので、それぞれの税事務所に間違えないように取得に行きましょう。
「納税額が0円だったのにそんなの出るんですか?」という質問もよくいただきますが、納税額が0円であっても、納付すべき額が0円と記載された納税証明書が発行されますのでこちらを取得してください。
営業所の写真
建物の全景、事務所の看板等、事務所の入口 、事務所の内部等、最低でも4枚以上の画像が必要です。
建物の全景は出来る限り建物の全体がわかるような写真を建物の正面側から撮影してください。
どうしても1枚に収めるのが難しい場合には、複数枚に分かれても良いので全体が把握できるような画像を撮影しましょう。
事務所の看板等は、営業所の看板や営業所名の入った郵便受け等を撮影してください。
それぞれ、営業所の名前がしっかり読み取れることが大切なので、そこを意識して撮影していただければと思います。
事務所の入口の写真では、表札や住居表示等が読み取れるように撮影してください。
入口全体を撮影したら表札の字が読み取れないという場合は、入口全体の画像と別に、名前が読み取れる距離間での表札の写真もご用意ください。
事務所の内部の写真では、電話・パソコン・プリンターや複合機・机や椅子等の事務所として必要な設備が整っていることが確認できる画像を撮影してください。
それぞれの位置が遠くて一枚に収まらない場合は複数枚に分かれても大丈夫です。
判然としない、読み取れないと言われると追加で補正対応が必要となりますので、これはギリギリかな~?と思うような画像の場合は予めそれを補足できるような画像を複数枚用意しておく方が良いでしょう。
申請日から遡って3カ月以内に撮影したカラー写真でなければ認められませんのでご注意ください。