『行政書士3年以内に廃業説』について語る②

あくまで個人的な意見ですが、廃業してしまう『状況』というのはそれぞれに詳細は異なってきますが、廃業する方に多い『傾向』のようなものは見えてきました。

人間性、精神性の部分に絞って大きくわけると3パターンあります。

あくまでも個人的見解ですが、まずはひとつずつ掘り下げていきましょう。

 

1、プライドエベレスト型

これはタイトルそのままですが、プライドが高すぎるが故にうまくいかなくなってしまうタイプです。

頭が良くて真面目、更には家柄も良かったり良い大学を出ているようなエリートの方が社会経験を経ずに行政書士として開業し、うまくいかなくなる流れを見ていきましょう。

 

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成績が良く、性格も真面目で常に優等生だったAさん。友人と資格取得競争をしていて宅建やFPを取得し、その流れで行政書士の資格もとりました。競争していた友人は行政書士の試験には受からず、Aさんならきっと行政書士で開業してもやっていけそうと言われたことに後押しを受け開業を決意。ビジネス街に事務所を構え、友人を補助者として雇い入れてのスタートでした。

頭の良いAさんは勉強が得意なので、開業したらきっと相続や離婚の相談がくるはずだと思い、そのあたりの知識を深めるべく法律の勉強を頑張っていました。ですが、開業から3か月を過ぎても依頼者は現れません。

補助者が心配して営業に行くと言ってくれましたが、自分より上に立たれるような感じがして嫌だったので断りました。本当は自分自身も不安になっていたので自分でなんとかしようと思い、事務所を閉めた後に1人でこっそり事務所の宣伝チラシをポスティングしました。

日中はインターネットで情報収集を頑張っていたら、創業時には様々な融資が受けられる場合があるとの情報を得ました。自分で試しに融資を申込んで実績を得ることが出来たら今後、法人の依頼者が現れたときに助成金や補助金の申請代行で役に立てる!そう思って一生懸命Aさんは創業融資について勉強し、書類を作成。見事に300万円の融資を引っ張りました。これで当面の事務所の経費は賄えるし1つ実績も出来たと一安心していましたが、そこから更に3か月経っても相続の相談者も、助成金の相談者も現れません。

そんな時、補助者が友人のツテを頼って仕事の依頼をとってきました。事務所で依頼者の話を聞いていると、許可がとりたいと言うのに事業計画書もなければ予算計画書も無く、話を聞いていても何も理解していない様子で、また、開業資金も100万ほどしかないので報酬も出来るだけ安くして欲しいと言います。丁重にお断りしてお引取りいただき、補助者に言いました。

「君には友人かもしれないけど私の友人じゃないんだから、あんないい加減な依頼は引き受けられない!適当な仕事を引き受けて私の免許に傷が付いたらどう責任をとるつもり?」そのまま口論になり、補助者は雇い止めとしました。やはり試験に落ちるような人間ではこの仕事の責任の重さを理解できないんだ。これからは自分らしく誇りをもって仕事をしよう。そう思い、心機一転頑張る決意をしたAさん。

ですが。。。

 

これはあくまで事例のお話なので特定の個人のストーリーではありませんが、『プライドエベレスト型』の人のお話を聞いているとだいたいこのような流れになっているようだったので、平均的な状況に落とし込んで事例とさせていただきました。

最初に断っておきますが、Aさんは本当に真面目に事務所運営のために日々努力をし、知識研鑽を行なっていました。

ただ、プライドが邪魔をして、自分で対人での営業をすることは出来ませんでした。

補助者や友人に見栄を張りたくて、頼ることができませんでした。

馬鹿にされたくなかったので、誰にも相談できませんでした。

自分の上に立たれたくなかったので、手を差し伸べてくれる人を頑なに遠ざけました。

たったこれだけのことで廃業する運びとなってしまったのです。