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産業廃棄物収集運搬の必要書類の集め方

産業廃棄物収集運搬業の新規許可申請を自分でやってみようと思って、または、従業員さんに申請させようと思ったけれども無理だったので専門家に依頼しようということになった。
こういった理由で弊社にご依頼をいただく事業者様が時々いらっしゃいます。

必要書類もご自身で既にいくつかは取得していらっしゃるケースも少なくないのですが、公的な証明書の類の有効期限は『取得日から3カ月以内』です。

せっかくご準備された書類が無駄にならないように、ご依頼を受けた後は有効期限がいつまでかのチェックを最初にさせていただくのですが、その中で、惜しい!と思わず声を出してしまいそうになる、様々な意味でギリギリアウトな書類を見つけることがあります。

公的書類の収集に不慣れな人では気が付きにくい、産業廃棄物収集運搬業新規申請に必要な公的書類の収集に必要な細かいルールについて今回は解説してみたいと思います。

住民票

住民票は何度か取得した経験もあるからわかっていると思っている方も多いですが、何をどこまで表示するのか、提出先によって内容が変わるので注意が必要です。
お住まいの地域を管轄する市区町村役場にて取得が可能です。

申請者が個人であればその申請者個人の分、法人であれば、監査役を含む役員全員分の住民票が必要です。
必要書類を収集する際は正確な住所表記が必要となりますので、出来るだけ最初は住民票から取得することを私はお薦めしています。

住民票で大切なのは、『本籍地・国籍』は記載されているもので、『マイナンバー』は省略されているものを取得していただかなければなりません。
ここを間違っている方が結構多いです。

とりあえず全部載ってればなんとかなるだろうと思ったのか、本籍も載ってるけどマイナンバーも載っているものを取得してしまう方が多い印象です。
また、個人情報を気にされて、本籍もマイナンバーも記載のないものを取得される方も一部いらっしゃいます。

本籍が記載されていない住民票は、役所が求めている証明内容を反映していませんので書類に不備ありとなり、取り直しを求められます。

省略が必要なマイナンバーが記載されてしまっている住民票は、申請する管轄自治体によって判断がわかれます。
取り直しを求められる役所と、仕方ないので対応しましょうと言ってくれる役所があるので、間違えてこちらのパターンで取得してしまった場合は一度確認してみてもいいかもしれません。

登記されていないことの証明書

こちらは法務局で取得できる書類となります。
あまり馴染のない書類なのでなんのことかピンとこない人も多いと思いますが、市役所や区役所等で発行される『身分証明書』とは別のものになります。

この書類の注意ポイントは、申請用紙に記入した手書きの内容がそのまま印刷されてでてくるというところです。
書き間違えたり、脱字があってもそのままその内容で証明書が発行されてしまいますので要注意です。

間違った内容でも証明書として発行はされてしまうのですが、営業許可の申請の際に、他の証明書類との整合性がとれない・内容不明、等の理由で結局取り直しを求められることになってしまいますので申請用紙の記入には細心の注意を払うようにしましょう。

また、申請用紙の記入方法でよくあるのが、住所を略字記載してしまうというものです。
例えば弊社の住所であれば、『大阪府大阪市北区神山町8番1号梅田辰巳ビル』というのが正式な表記となるので、このように申請書に記入しなければなりません。

それを、『大阪市北区神山町8-1』とだけ書いてしまうという人は本当に多いです。
番地の略字記載は産業廃棄物収集運搬業の許可申請先によっては認容はすると言ってもらえる自治体もありますが、ビル名やマンション名がないものは取り直しを求められる事が多いです。

これらの間違いを防ぐために、最初に住民票を取得しておき、住民票を見ながら記載されている内容通りに1時1句省略せずに住所を記入するようにしましょう。

産業廃棄物収集運搬の申請において必要な証明項目は、『成年被後見人、被保佐人とする記録がない』の項目を選択してもらえば大丈夫です。

納税証明書

申請者が法人である場合は、税務署が発行する『法人税(国税)納税証明書のその1』の直近3年分が必要です。

直近3年の間に事業年度の変更等が行なわれていた場合は、4年分の納税証明書が必要となりますのでご注意ください。

申請者が個人の場合は、税務署が発行する『所得税(国税)納税証明書のその1』の直近3年分をご用意ください。

決算書

各事業年度ごとにそれぞれ直近3年分の、『貸借対照表』・『損益計算書』・『株主資本等変動計算書』・『個別注記表』が必要となります。

納税証明書と同じで、直近3年の間に事業年度の変更等が行なわれていた場合は、それぞれ4年分の書類が必要となりますのでご注意ください。

確定申告書の写し

申請者が法人の場合、各事業年度ごとに直近3年分の確定申告書の中から、『別表一』と『別表四』の写しが必要です。

こちらも納税証明書と同じで、直近3年の間に事業年度の変更等が行なわれていた場合は、それぞれ4年分の書類が必要となりますのでご注意ください。

また、修正申告を行なった場合においては、『修正申告書の別表一と別表四の写し』が必要となりますのでご準備ください。

役所への提出は必要ありませんが、申請書の作成にあたって株主様の確認が必要となるため、別表二についても行政書士に依頼をする際はご用意いただけると手続きがスムースになります。

申請者が個人の場合は、各事業年度ごとに直近3年分の確定申告書の中から、『第一表』と『第二表』の写しが必要です。

個人の方の場合は、マイナンバーがコピーされていないものを用意する必要がありますので、該当欄を黒塗りする等して準備する等の注意が必要です。

個人の方で修正申告を行なった場合においては、『修正申告書の第一表と第五表の写し』が必要となりますのでご準備ください。

履歴事項全部証明書

法務局が発行する、法人登記簿謄本の履歴事項全部証明書をご準備ください。

インターネットで取得したものは証明書類として認められませんので、ご注意ください。

定款

定款の写しをご用意ください。

設立時に作成したものから変更等が行われている場合も多々ありますので、最新の状態の定款の写しが必要です。

現行の定款であることの証明のために、原本証明を行なって提出するのが一般的です。

車検証の写し

収集運搬業務に使用する車両全ての『自動車検査証(通称:車検証)の写し』が必要です。

コピーを取る際に、期限が切れていない(申請中に期限切れにならない)かどうかをしっかり確認しましょう。
審査期間中に車検が切れる場合は、車検を受けた新しい車検証の提出を求められます。

もうすぐ期限切れになりそうだという場合はスムースに新しい車検証が発行されるように、早めに車検の手配をしてしまうことをおススメいたします。

運搬車両の写真

収集運搬業務に使用する車両全ての、『正面から撮った写真』と『真横から撮った写真』が必要です。
鮮明であれば白黒でも可能ではありますが、あえて白黒にする理由はないので普通にカラーで撮影しましょう。

車両の撮影に関しては注意事項があり、全てのルールが守られていない画像では申請が受理されませんので、下記内容をよく読んで適切な画像の撮影が出来るように臨んでください。

まず、真正面からの画像は、①ナンバープレートがはっきり識別できるもので、かつ、②車両の正面全体が見切れることなく納まっていること、という2項目が成立していなければなりません。

正面から見た車両全体が確実に写真に納まるようにと思ってそれなりに引いて遠くから撮影した場合、ナンバープレートが読めないという結果になると、その画像は使えません。

サイドミラーまで見切れることのない範囲で、かつ、ちゃんとナンバープレートの文字が読める距離で撮影しましょう。
また、光の反射や汚れ等でナンバープレートが読めないということが無いようにご注意ください。

真横からの画像は、①荷台には何も乗っていない状態で、かつ、②車両全体がどこも見切れることなく納まっていることという2項目が成立していなければなりません。

よくあるのは、荷台の上にはしごを乗せっぱなしやシートをかぶせっぱなしで写真をとっていたり、脱着式コンテナ車をコンテナを付けたまま写真を撮っているというものですが、これらは全て申請には使えない写真となります。

車両が一部でも隠れて見えない状況がある画像は使えませんので、ご面倒だとは思いますが、余計なものは全て取り外した上で、わかりやすい車の写真をとるようにしましょう。

また、真横からの画像撮影の時にうまく納まりきらないからといって、若干斜めのアングルから撮影される方も多くいらっしゃいますが、斜めから撮影された画像も残念ながら一切使えませんので、頑張って真横から撮影してくださいね。

事業所及び駐車場の位置図及び写真

法人の場合、登記簿上の本店所在地の位置図と写真が必要です。
本店所在地以外の場所を収集運搬の事業所として使用する場合は、その事業所の地図と写真も必要となります。

事業所や本店所在地の写真は、『建物の外観』と『屋号がわかるもの』をそれぞれ用意しましょう。
看板や入口の表札、ポストのネームプレート等、申請者の屋号がはっきり読み取れる画像が必要となります。

位置図に関しては、最寄り駅や近所にある公園や病院、ガソリンスタンドなどの目印も記載して、わかりやすいものを作成してください。

申請先によって位置図だけで良い場合もありますが、事業所や駐車場、及び本社の写真が申請に必要な場合もあります。
ご自身が申請する際にどこまでのものが必要かは管轄する役所へ確認をしてください。

⇑ 弊社外観の写真

まとめ

証明書類は全て取得後3カ月以内のものでなければなりません。

申請者が法人の場合は特に集めなけらばならない書類が多く、役員様の住民票等は郵送で取り寄せになることもあったりして全て揃うまでにそれなりの時間がかかることが想定されます。

最初に収集した書類が申請しようと思ったら期限切れになっていたというようなことにならないためにも、申請に必要な書類は間違いの無いようにゆとりをもって計画的に集めましょう。

この記事が少しでもお力になれれば幸いです。