プロとしての行政書士。

行政書士は一般的には認知度もまだまだ低く、何が出来る人なのかが知られていないことも多いですが、知ってくれている方が行政書士を総称してよく使って頂けるワードがあります。
<街の法律家>という行政書士会が推進しているワードか、<代書屋>という昔ながらの呼ばれ方です。
私は個人的には非弁行為を行なってはならない行政書士が街の法律家と呼ばれることには少し抵抗があって、<街の法務家>にしてくれればいいのになんて思ったりもしますが。。。(←だいたい事務所名に法律事務所って付けちゃいけないのに法律家ってなんかおかしくないですか?(^^;)

まぁ、それはさておき、<代書屋>です。
これは行政書士の蔑称であると論じる方もいらっしゃいますが、本当に代書しか出来ない行政書士になるのであればこう呼ばれるのは確かに蔑称になるかもしれません。
ですが、私はこのワード結構好きです。
本当に代書しかしない人間にこのご時勢、どこの誰が報酬を支払ってまで依頼をするでしょうか?
依頼者様は代書を頼むのだけれども、それだけじゃない付加価値に対して報酬を支払うのだと思っています。

その付加価値はどうやってつけるのか。
これは個々人の個性や裁量の見せ所ではありますが、難しく考えなくても簡単な方法もあるんです。
例えばそれは綺麗なレイアウトで作成された書式であったり、丁寧だけれどわかりやすい文章であったり。
行政書士になるということは書類を作る仕事のプロになるんです。
ということは、自分が作成した書類はその全てが商品であり、作品集になります。
そう考えれば、業務を遂行するために省いてもいい書類なんて無いのではないかと考えます。

ご相談を受けたら<見積書>と<ご依頼頂いた場合のスケジュール>の発行。
依頼を請けたら<業務依頼契約書>と<必要書類一覧>と<請求書>の発行。
書類作成にとりかかれば<預かり証>や<受領書>の発行。
業務完了時には<納品書>と<受領書>、そして<領収書>の発行。
実務のための書類作成以外でこれだけの書類を作成することになります。

「時間や資源がもったいないので省く」という選択も可能な書類も中にはあります。
しかし、先ほども述べましたが、行政書士が作成する書類は全て商品であり、作品です。
宣伝しなくてどうするんですか?
プロとして業務を請け負うのに、丁寧にやりすぎてダメなことってありますか?
依頼者からすれば、ただ代書してもらうだけなら近所のパソコンが得意な親戚にでも小遣いを払ってやらせればいいんです。
パソコンが得意な親戚に安価で頼むのとは違う結果を出すことに、プロとしての意義が問われるのだと思います。