行政書士として独立開業するということは、『先生』になることではありません。
『個人事業主』になることです。
(中にはいきなり法人開業して社長になってしまう方もいますがそれはかなり稀なのでここでは省きます)
なぜか、飲食店や美容院などを開業する個人事業主の方たちとは違い、士業で開業しようとする個人事業主の方はここの考え方が抜け落ちている人がとても多いように感じます。
だから余計に迷いが生じるのではないでしょうか?
「開業しても相談者のお話に答えられなかったらどうしよう」
「依頼をいただいても実務の仕方がわからないから開業するのが怖い」
「もっと法律の勉強をしないと良い行政書士にはなれないのではないか」
受験生の方や開業志望者の方からこういった不安について毎年ご相談を受けます。
人生を賭けた新しいスタートを考えているわけですから、不安や心配ごとが多くあるのはよくわかりますし、そんな相談してくるんじゃねぇ!なんてことは全く思いません。
不安や心配ごとはみんなあります。開業して4年目の私も4年目なりの悩みがあるんです。自営業を選んだ以上、安定は捨てたのですから不安や心配や悩みがなくなることなんてそうそうありません。
だからこそ、不安や心配や悩みは当然にあるものとして受け止めましょう。
不安を見つめて悩みを大きくしている暇があるならば、やるべきこと、出来ることをしっかりやりましょう。
事業計画は立てましたか?予算計画は?事業計画に基づいたマーケティングは行ないましたか?
その計画に必要な『人・モノ・金』は揃っていますか?
1つ行動を起こせば必ず次のハードルが勝手に出てきます。開業するために必要なハードルを飛んでもいないのに開業後のハードルについて悩んでいるような暇はありません。
もしかすると開業に必要なハードルすら飛べない可能性だってあるのです。
開業準備にかかった費用はちゃんと領収書をとっていれば初年度の確定申告時に経費として計上出来ます。
今ここに存在してもいない架空の相談者のことを心配するよりこうした現実的に必要な情報について勉強する方が大切ではありませんか?
相談者や依頼者が来るのは、①無事に開業→②しっかり営業活動→③認知、信頼を得てご連絡をいただいてからです。
ただの3工程ではありませんよ。この3工程の中には恐ろしい数の手順とハードルが詰まっているんです。
木を見て森を見ずでもいけませんが、山の大きさを恐れて目の前の登山道を見失っては本末転倒です。
不安なとき、迷ったときは、『その迷いの前には何があるか』を考えてどんどん書き出してみましょう。
時系列で出来るだけ細かく書き出していけばやるべきことが明確になり頭の整理にもなります。
やるべきことが見つかったならそれをやる。その繰り返しです。
私は今もそうして事務所の方針を決めたり新しい業務にチャレンジしていますので、開業後のトレーニングにもなると思いますよ。