事業継続力強化計画にかかる認定がおりました。詳しくはこちら

行政書士試験に合格するには。(学習の進めかた編Ⅲ)

☆憲法の学習の進めかた

私は憲法は人権の分野はとても面白いと感じたので、興味を持って勉強できたため圧倒的に得意と言い切れる教科でした。それに対して、統治にはほぼ面白みを感じていませんでしたので可もなく不可もなくといった状態で当初はそんなに力も入れていませんでした。

憲法の勉強方針として決めていたことは、人権は<法律の趣旨理解>と<判例の理解>この2点のみです。まず法律の趣旨理解に尽力した上で、判例を読み解く。最初は判例の全てを理解できなくても、どの条文にどんな判例があるのかを記憶しておいて先に進むことで自分が本当に条文の趣旨を理解した時に「だからこの結果になるのか」と気付くことができました。

もともと私は子供の頃から本を読むのが好きで、時間がある時期はほぼ毎日1冊ぐらいのペースで本を読む習慣があったので、物語を読むような感覚で実際に頭の中でしっかりイメージを作りながら判例を読み進めていた為、記憶の定着率は高く、2,3度読んでしまえばほぼ忘れることはありませんでしたので、読書家の方には判例はこのようなやり方で理解を進めることをお勧めします。

 

統治に関しては講師の方が条文を毎晩寝る前に少しずつでもいいから読んで覚えてしまえ!と仰っていたのでそれをただただ実行しました。ただ、私の場合は自分に興味のないことはすぐに記憶から流れ去る性質があるのでこの作業は試験1ヶ月前の直前期になってから始めました。

私は民法・行政法を勉強してから憲法という順番になってしまったので、この時点で条文を<読む力>そのものは備わっているということを確信していたので記憶だけなら直前期が私にとっては最善だという考えの下で行った判断です。

条文を<読む力>がないのであれば頭の中で文字が意味を成さず、お経を暗記するような地獄の作業になってしまうためとても時間がかかると判断し、その場合は1日も早く毎日コツコツと覚えてしまう方が得策だと思います。

私が憲法で行った勉強は、とにかく信頼する講師の方が「人権は理解、統治は記憶」と仰ってたので素直にそれに従っただけです。法学検定や、模試などを自分で実際に解いてみてもそれだけで十分に問題を解ける能力は備わっていたのでやはりこれが最速で最善かと思います。

 

☆会社法の学習の進めかた

会社法に関しては捨てるという話をとてもよく聞きます。仕事が大変な中で勉強されている方等で、本当に時間的にも精神的にも無理だという判断をせざるを得ないというのであれば捨てるという選択もあるのかなぁとは思いますが、私は捨てませんでした。

行政書士になった暁には企業法務を事業のメインにしたいという考えがあったことと、捨てるという選択をするメリットが私には全く無かったからです。もちろん途中から勉強を始めた私は人より勉強にかけられる期間そのものは少ないですが、それでもやればいいことと考えていたので、捨てるという選択はリスクとしか考えられませんでした。

厳密に言えば商法は捨てたと言えるかもしれません。web講座も一通りは聞きましたし、予備校の講義はちゃんと集中して受けましたが、それ以外の時間は全く商法にはかけませんでした。

会社法は予備校の講義を録音したものを再生しながらテキストの読み込みをし、テキストだけでは解らない部分や簡単にメモをとっていたものをまとめてノートに書き込み、しっかり復習をしながらそのノートさえ見れば会社法は全て復習できるような<情報の一見化>をすることに注力しました。1度最後まで学習してしまうとあとはアウトプット作業をしながら問題を解けなかった項目だけ履修するようにしていましたが、民法や行政法と比べれば履修回数は全く多くありません。

私の記憶力が特別優れているわけではなく、<情報の一見化>を行う時にノートに書き込みしながら脳への書き込みが終えている箇所が多くあるからです。大事なのは一見化したものを作ることではなく、情報を整理し、できるだけ簡潔化する作業を行うことです。頭の中も整理され、同時に半分以上記憶もされます。

授業の復習と同時にこの作業を行うことで1回の復習時間以外の余分な時間も使わなくて済みますし、情報を一見化したものがあれば隙間時間にそれを読めばいいだけなので他の科目の勉強をする時間をわざわざ削ることもなく会社法を学ぶことが可能になります。なんせ隙間の時間、余っている時間を使うだけですから。

より時間を短縮するのであれば別のノートに一見化するのではなく、直接テキストに書き込みをする方が圧倒的に早いです。私がそれをしなかったのは、復習が終われば会社法には隙間の時間しか使わないと最初に決めていたので、テキストは大きいし重いので持ち運びに不便なこともあって、あえて別のノートにしただけなので大きさや重さが気にならずに持ち運べるのであればテキストを使う方がベターでしょう。

 

私は会社法は捨てはしませんでしたが、会社法に時間は極力かけませんでした。捨てるという選択をするのは簡単なことですが、本当に合格したいのであれば試験範囲である限り、捨てていい教科なんてあるはずがないと思います。

もちろんやはり、大事なのは憲法・民法・行政法ですからその勉強に充てる為の時間を削るのはもっての外です。削っていいのは他のことに使っている自分の時間だけです。移動時間や家事をしている時間、食事の時間、お風呂やトイレの時間、本気になれば削れる時間はたくさんあります。

そしてその見えない時間を削るにはまず会社法を捨てないと覚悟することが必要だと思います。やらなきゃいけないとなれば必ず人は工夫をします。どうしてもそんな時間もない中で努力をしている人でない限りは、工夫すればできるようになることを捨ててしまうのはやはりリスクしかないのではないでしょうか。